暗黒星雲から逃げ回るうち、トツゼンきりん号はそれまでの
暗い宇宙空間から、眩しい光のあふれる場所に出ました。
「なんぢゃ~!いったいどうなったんぢゃ?」
「どうやら、宇宙の果てを突破しちゃったみたいぴょん。」
やどらんは、びっくりして飛び上がりました。
「まさか!宇宙は有限の空間だけど、光速で膨張してるから
外側なんて不可知だと思ってたよ。」
「いま心だけになってるから、光より早く移動できたのね。」
丸窓を覗き込みながら、ランちゃんがしきりとうなずきます。
「それにしても、何という世界ぢゃ!ワシよう理解できん・・・」
ぽぽりんたちの眼には、それまで自分たちのいた宇宙が、
雲海を行くカメやゾウ、ヘビによって支えられているように
見えました。
「はなぴょんにもわからないけど、きっとワタシたちの理解を
超えたエネルギーが、そういった形に見えてるぴょん。」
フト思い出したように、潤子ちゃんがつぶやきました。
「むかしの人が考えた、世界図に似てる気がする。ここまで
来た人が、ほかにもいたのかなあ」
「わからないぴょん。ただ、暗黒星雲はここまでこられない
みたいだから、ひとまず助かったみたいぴょん。」
ぽぽりん、やどらん、潤子ちゃん、ランちゃん、はなぴょんの
5人は、陶然とした面持ちで自分たちの宇宙を眺めました。
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